【2020.5.13-】勘工寮葵町製糸場模型3D映像プレ公開

プロジェクトの今までの経過については、「葵町製糸場プロジェクト」をご覧ください。

2019年4月からプロジェクトを開始し、約1年が経ちました。
図面との格闘の末に3D映像と明治初期の製糸場模型が姿を現しました。感無量です。
皆様のご支援のおかげです。本当にありがとうございます。
手描き図面の多くの謎と対峙し、学生と共に悶々とする日々もありました。
勧工寮葵町製糸場の明治6年の設立から147年ぶりにその姿が形になったといえます。
日本の近代化を明らかにするための貴重な資料となりました。

「蒸気動力を使わずに、量産化するには?」
勧工寮葵町製糸場は、水車と竈の姿が特徴的で、蒸気で稼働した富岡製糸場と設計思想の違いがよく分かります。
繭を煮るためには、窯ごとに薪を使わなくてはならず、ずらりと窯が並んだ状況から、室内の換気と煙突機構の重要性を感じました。
そして室内に煙を持ち込まない蒸気機関のメリットも理解することができました。
図面を組み立てる追体験をしたからこそ、今回気づくことができたことです。

また、学生有志の参加により、大学ならではのプロジェクトの発展がありました。
学生は工学部の視点を生かし、歴史や建築の専門家の皆さんに支えられながら、手書きの図面と格闘してくれました。
このことが大学博物館を大きく活性化させました。
ブログやメールで活動の進捗をお伝えし、プロジェクトの成り行きを皆さんに見守っていただく形でプロジェクトが進みました。
その結果、支援者の皆さんとも意見交換ができ、農工大学卒業生の皆さんが声をかけてくださり、製糸学科の大先輩からのアドバイスもいただきました。
学生が富岡製糸場へ出かけワークショップに参加するなど活動が大きく展開し、農工大と蚕糸の縁を改めて強く感じています。

今回クラウドファンディングを通じてみなさんと交流を深められたことは、大学博物館として大きな財産となりました。

皆様の温かいご支援によって復活しましたこの3D動画の映像を、プレ展示としてウェブ上で期間限定公開いたします。
これらの動画と模型を中心に、11月に博物館において企画展を行う予定です。
皆様にお見せできることを楽しみにしています。

〇ホームページでの動画公開 2020年5月13日-当面の間(※6月30日までの期間限定公開としていましたが、臨時休館延長に伴い、公開を延長します)
〇デジタル教育研究展示室での公開 期間未定
※臨時休館終了後、1週間程度公開予定。決まり次第、科学博物館ウェブサイトでお知らせします。

東京農工大学科学博物館「幻の製糸場を追え!勧工寮葵町製糸場図面3D化プロジェクト」近代製糸技術初期の繰糸器と製糸場の外観を復元(PDF)【東京農工大学プレスリリース 2020年5月11日付】

葵町製糸場図面復元3D動画
デジタル教育研究展示室全景